基本情報
【書籍情報】
書名 | 小学生でもわかる世界史 |
著者 | ぴよぴーよ速報 |
出版社 | 朝日新聞出版 |
発売日 | 2023年12月20日 |
価格 | 1,760円(税込) |
頁数 | 367ページ |
【目次】
はじめに
この本の読み方
注意書き
世界地図
第1章 ヨーロッパ編
第1話 古代ギリシャ
第2話 古代ローマ
第3話 ローマ帝国崩壊後
第4話 神聖ローマ帝国の時代
第5話 フランス革命ころの時代
第6話 第一次世界大戦
第7話 第二次世界大戦
第2章 中東編
第1話 古代メソポタミア
第2話 イスラム帝国
第3話 中東戦争
第3章 インド編
第1話 インドの歴史
第4章 中国編
第1話 秦以前
第2話 項羽と劉邦
第3話 漢
第4話 三国志
第5話 三国志の後の時代
第6話 隋と唐
第7話 宋
第8話 元
第9話 明
第10話 清
第11話 中華民国
第12話 中華人民共和国
第5章 ヤバイ国列伝
第1話 モンゴル帝国
第2話 イギリス帝国
第3話 ソビエト連邦
第4話 アメリカ合衆国
第5話 大日本帝国
おわりに
索引
参考文献
おすすめのポイント
【おすすめ度】
★★★☆☆(3/5)
1.面白いストーリーと豊富な人物画像で重要知識が印象に残る!
2.動画にはなかった重要語句の知識や年代が載っている
3.索引がしっかりある
1.動画にあった「いらすとや」さんの画像や、2chのスレの話がカットされている
2.本文に対して、地図や語句説明が違うページにあることが多いので読みにくい
3.やっぱりあった、不正確な記述

感想
良かった点
1.面白いストーリーと豊富な人物画像で重要知識が印象に残る!
これが最重要でしょう。
世界史の知識をギャグ調の文章で楽しみながら身に付けることができます。
中でも一番素晴らしいのは、人物画像が豊富に掲載されていることです。
登場する歴史上の人物たちの肖像画や写真が必ずと言っていいほど掲載されているのでとにかく印象に残ります。

この歴史上の大人物とは思えない軽いのりがやたらと記憶に残るんですよ。
子供に大人気という噂も。
ぴよぴーよ速報さんが冒頭の注意書きで言っているように、本書は完全にエンターテインメントです。
世界史の学習のために何度も読むようなものではありません。
しかし、本格的に世界史を勉強していて人物名が出てきた時に読み返すと、一気に記憶が喚起されます。
「康熙帝ってめちゃくちゃすごいあの人か!帯で「ボコすぞ」とか言ってる」みたいな。

そんなわけで、YouTubeで動画を見た後に本格的に世界史の勉強をする人は持っていて損はありません。
動画だと該当の画像を探すのに時間がかかります。
本書には索引がありますので該当ページにすぐたどり着くことができます。
2.動画にはなかった重要語句の知識や年代が載っている
本書には動画にはなかった重要語句が各ページの下段に説明付きで書かれています。
敢えて動画ではなく書籍版を購入するメリットといえるでしょう。

また、動画とは違って年代についてもある程度記載があります。
「1050年~1300年らへん」みたいな。
動画では年代についての説明はありません。
「時代は今からおよそ~年前」という現在を基準にした凄まじくアバウトな言い方をしています。
はっきり言っていつ頃の話をしているのかすごく分かりにくかった。
書籍だとアバウトでも年代表記があるためいつの話をしているのかが分かります。
これが地味に助かるんですよ。
下段の重要語句には詳細な年代が記されていますので、詳しく年代を知りたい人にも対応しています。
3.索引がしっかりある
前述した通り、本書の最大の売りは人物の肖像画・写真が豊富に掲載されていることです。
本格的に世界史の勉強をしたときに、気になった人物の顔を記憶に残すことができます。
索引があるため該当人物にすぐたどり着くことできるというわけです。
大学の教授が言っていましたが、索引を作るのはかなり重労働だそうなんですよ。
娯楽目的の本とか言いつつ、しっかり索引を作ってくれているのはありがたいですね。
気になった点
1.動画にあった「いらすとや」さんの画像や、2chのスレの話がカットされている
動画の方ではいらすとやさんの絵が使われていて動きがあるので分かりやすかったです。
こういうやつ。

著作権の関係か、ばっさり全部カットされています。
なのでちょっと味気ない。
2chのスレの話がカットされているのも残念ですね。
「中国の歴史上一番の名君を議論する、2chの謎のスレ」とかの話です。
康熙帝がSランクに評価されていたりしてけっこう面白かったので、残してくれていた方がよかったかな、と思います。
2.本文に対して、地図や語句説明が違うページにあることが多いので読みにくい
Amazonのレビューなどでも指摘されている問題点です。
本文に対して、地図や語句が次のページなどに書かれていることが多く読みにくいです。
紙面の関係で仕方ないのかもしれませんが。
3.やっぱりあった、不正確な記述
ぴよぴーよ速報さん自身が冒頭の注意書きで、「解説文も校閲を受けてはいますが、真偽の怪しい部分もあると思われます」と言ってます。
残念ながら間違った記述がありました。
二回目のポエニ戦争の話です。
こうしてハンニバルは、普通にそのまま海を通って戦うのではなく、この現在のスペインがあるところを上陸して、そのまま北へ進んでアルプス山脈を越えてから南へ侵攻する、というなかなか頭おかしめな戦術を使いました。
39ページ
ポエニ戦争においてハンニバルは海を渡ってはいません。
世界史YouTuberである土井昭先生の解説があります。
動画は中田敦彦さんの世界史解説の間違いを指摘しているものです。
つまり、ハンニバルは別に頭おかしくなかったわけですよ。
まあアルプス山脈越えのことを言ってるのかもしれませんけど。
中田さんも間違えるような話なので、土井先生も言っているようにちょっと細かい知識かもしれません。
しかし間違いは間違いです。
私は世界史については全然詳しくないので一つしか見つけられませんでしたが、まだまだあると考えるのだ妥当でしょう。
世界史の勉強のために何度も読み込むタイプの本ではないということです。
なお、世界史をまじめに勉強したい人は土井昭先生のYouTubeチャンネルはおすすめです。
語録集
色々面白いセリフがあるので私のツボに入ったものを紹介します。
腹筋崩壊必至。
1位:「アフリカの領土を縦につなげたいなぁ」
世界観がドラゴンボール並み。
2位:「超長え槍を用意しろ」
すっごい適当な指示だけど超強い。
3位:「うん、わかったわかった、じゃあ戦争すっか」
戦争すっか(勝てるとは言っていない)。
4位:「おい清てめえ!おい!とにかくおめえおい!ぶざけんなてめえおい!」
英絶対清の事嫌いやん。
5位:「うわー、なんか突然、金が消滅しまくったぞ」
なんか理由あるやろ。
6位:「言論の自由って大事ですよね、国民の皆さん、ぼくたちのことを、自由に批判してください」
からの~
7位:「はい、俺たちを批判したやつ、全員逮捕しまーす」
知ってた。
まとめ
面白さ目当ての場合は動画を見て気に入ったら買えばいいかと思います。
娯楽目的だと動画で十分な気がするので正直に言っておすすめしにくいです。
他方、ぴよぴーよ速報さんのYouTube動画を見た後に本格的に世界史の勉強を続けたい人は買っても損はないと思います。
人物画像・写真が豊富であり、面白いセリフ付きなのでとにかく人名を覚えるのに役立つからです。
意外なことに真面目に勉強を続けようと思う人にむしろおすすめなんですよ。
本文を読むことはほとんどないんですけどね。
