基本情報
【書籍情報】
書名 | 勝てば官軍 |
著者 | 藤田 田 |
出版社 | ベストセラーズ |
発売日 | 2019年4月12日(初版1996年) |
価格 | 1,617円(税込) |
頁数 | 277ページ |
【目次】
まえがき
第1章 価格破壊は歴史の必然である
第2章 デン・フジタの成功の法則
第3章 ビジネス成功の法則
第4章 規制緩和なき日本に明日はない
第5章 ビジネス・チャンスは無限にある
藤田 田 人生年表
おすすめのポイント
【おすすめ度】
★★★★☆(4/5)
1.『ユダヤの商法』と同様に読めば儲けてやろうというモチベーション爆上がり!
2.おまけに勉強したいというモチベーションもアップ!
3.『ユダヤの商法』よりも話が掘り下げられている
1.内容の大半は『ユダヤの商法』と被る
2.日本との比較対象がユダヤからアメリカに変わっている
3.政治経済といった儲け方とは直接関係ない話が多い

感想
良かった点
1.『ユダヤの商法』と同様に読めば儲けてやろうというモチベーション爆上がり!
個別の儲け方の知識も大事ですが、田さんの本を読む最大の理由は商売のモチベーションを上げてくれることでしょう。
『ユダヤの商法』でも「儲けてやるぞ!」という気持ちが湧いてきました。
本書でも『勝てば官軍』なんていう刺激的なタイトルから始まり、
といった田節が炸裂しています。
田さんといえば、今でいう孫正義さんや柳井正さん、三木谷浩史さんクラスの経営者です。
そんな田さんが庶民レベルまで降りてきて凡俗な言葉で発破をかけてくれている。
ここに一番の価値を感じるわけです。
2.おまけに勉強したいというモチベーションもアップ!
『ユダヤの商法』でも「暗算を得意とすべし」「判断の基礎は外国語だ」といった指摘がありました。
本書ではより踏み込んでいます。
例えば、「簿記3級の資格は必須」や「(英語に加えて)もう一ヵ国語をマスターしておかなければならない」といった指摘がなされています。
実は私は本書を読んだのは2回目になります。
一度目は10年以上前です。
私は簿記2級を所持していますが、簿記の資格を取ろうと思ったのは本書『勝てば官軍』がきっかけでした。
ちなみに、ホリエモンこと堀江貴文さんも簿記3級は必須とどこかで仰っていたのを見たことがあります。
さらに現在は英語の勉強を始めた次第です。
これも『ユダヤの商法』『勝てば官軍』をはじめとする田さんのアドバイスの影響です。
田さんは儲ければいいという実戦派のように見えて、東大卒らしい必要な知識を大切にする面も持ち合わせています。
本書を読めば商売だけでなく勉強しようというモチベーションも上がるでしょう。
3.『ユダヤの商法』よりも話が掘り下げられている
「気になった点」で後述している通り、本書『勝てば官軍』は『ユダヤの商法』と内容がかなり被っています。
『ユダヤの商法』を読んでいると正直に言って焼き直しに思えるところもあるでしょう。
しかし、前述した「簿記3級の資格は必須」や英語以外のおすすめの言語についても具体的に言及があったりします。
つまり、前著『ユダヤの商法』よりも内容が掘り下げられているわけです。
その他にもコンピュータ時代における仕事の重要要素や、商売のターゲットについての知識など、前著の内容が深堀されています。
内容が被っている知識は頭に叩き込まなければならない必修知識と考えれば何度聞いても悪い気はしません。
それでいてより具体的な話が聞ける
『ユダヤの商法』が気に入った人はぜひ本書『勝てば官軍』でより知識を深めるべきでしょう。
気になった点
1.内容の大半は『ユダヤの商法』と被る
前述した通り、大まかな話は前著『ユダヤの商法』と重なっています。
正直に言えば、目次だけ眺めていると「同じ本じゃないか?」と思えるくらい被っている。
当然ながら先に『ユダヤの商法』を読むべきです。
個人的にはやはり孫正義さんや柳井正さんがむさぼり読んだとされる『ユダヤの商法』の方がエネルギーを感じる内容になっています。

『ユダヤの商法』を読んで気に入った人はぜひ本書を手に取ってみるといいでしょう。
2.日本との比較対象がユダヤからアメリカに変わっている
『ユダヤの商法』では一貫してユダヤと日本を比較した論調でした。
本書『勝てば官軍』は論調こそ『ユダヤの商法』と同じですが、比較対象がなぜかアメリカになっています。
一貫して「アメリカは~、日本は~」みたいな論調が続きます。
そんでもってなぜかユダヤの話は一切出てきません。
ユダヤの方かアメリカの方は分かりませんが、出版社の意図のようなものを感じますね。
外国と比較して論じると読者に受ける、みたいな。
あまり気にするところではないかもしれませんが。
アメリカと比較して延々と日本のダメなところを論じていますが、田さん自身は愛国者です。
だから世間には、わたしを、「日本」や「日本人」のことなど眼中にないコスモポリタンと思っているようだが、わたしが「国際化」を主張するのは、他ならぬ「日本および日本人」の未来を深く考えているからだ。わたしは祖国日本を愛することにおいては誰にも負けないと自負している。
212ページ
日本批判も愛情の裏返しだと思って読めば不快にはならないでしょう。
3.政治経済といった儲け方とは直接関係ない話が多い
★を一つ削った理由がこれです。
本書はとにかく政治経済といった個人ではどうしようもできないような大局的な話が多い。
特に政治については政治家を批判したところでどうにもなりません。
政治家を選んでいるのは日本国民自身ですからね。
100ページほど政治的な話が続くので、ちょっとボリューム的に偏り過ぎているかなと。
『ユダヤの商法』のように普通に儲け方について語ってくれた方が良かったかなと思います。
『ユダヤの商法』は1972年刊であり、田さんは46歳。
他方、『勝てば官軍』は1996年刊であり、田さん70歳。
年齢的にも政治に強い関心があったのかもしれません。
まとめ
確かに本書『勝てば官軍』は『ユダヤの商法』と重なっている内容が多いです。
というか実は田さんの本は全部似たようなことばかり書かれています。
KKベストセラーズから全部で6冊の著書が出版されており、その全てで似たようなことが書かれている。
目次を見れば既視感だらけです。
しかし、内容が全てちょっとずつ違う。
しかも重要な知識や気づきにさらりと触れられていたりする。
内容が似ているからと言って『ユダヤの商法』一冊で済ませてしまうのは間違っていると思います。
藤田田という傑物から学びたいのであれば全部買って読むべきだと考えています。
実際この記事を執筆する前に私はすでに『本当に儲けたいなら、お金が欲しいなら 頭のいい奴のマネをしろ(Den Fujitaの商法1の新装版)』を購入済みです。
興味本位で読む人はまず『ユダヤの商法』を。
本気で金を稼ぎたい人は『ユダヤの商法』を読み終わったらぜひ『勝てば官軍』を含めた他の書籍も読むといいでしょう。
必ず新しい気付きに出会えます。
