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【読書ノート】バビロンの大富豪(ジョージ・S・クレイソン)

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目次

おすすめのポイントと基本情報


【おすすめ度】
★★★★☆(4/5)

【おすすめのポイント】
書かれてあることを知識だけ抜き出せば単純な事しか言っていないかもしれない。
働き、収入の一割を貯蓄し、そしてそれを投資に回して増やせ、と。

しかし、お金を増やすための根幹の知識を面白い小説形式で分かりやすく書いてくれており、お金の話をしていても人情味のあるストーリは惹き込まれる魅力があります。

つまり、本書の最大の価値は、読むことによって自分にもできるかもしれないという勇気を与えてくれることにあるのです。
単に知識を与えてくれるお金の本は数あれども、モチベーションを高めてくれる本はなかなかありません。

読んでみれば、何人ものインフルエンサーが本書を紹介しているのも納得できるでしょう。
手元に一冊置いておき、折に触れて読み返したくなるまさに不朽の名著

【おすすめしている人】※リンク先はYouTube
両学長
第16回 学長のおすすめ書籍【人生論】
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書籍情報

書名:バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか
著者:ジョージ・S・クレイソン

訳者:大島 豊
出版社:グスコー出版
発売日:2008年8月8日
価格:1,650円(単行本)、825円(文庫版)

目次

はじめに 古代都市バビロンの市民は、世界で最も裕福な人々だった
プロローグ こんなに働いているのに、どうしてお金が貯まらないのだろう―戦車職人バンシアの素朴な疑問
第一話 財産を築くには不滅の「原則」があった―富豪の金貸しアルガミシュの忘れ得ぬ言葉
第二話 富をもたらす黄金の「七つの知恵」とは―大富豪アルカドの価値ある講義
第三話 「幸運の女神」が微笑む人間とは―大富豪アルカドと受講者たちの白熱の議論
第四話 金貨の袋か、「知恵の言葉」が刻まれた粘土板か―大富豪アルカドの息子ノマシアの苛酷な試練
第五話 自ら稼いだ資金の運用は、こうして決める―富豪の金貸しメイソンの忌憚なき忠言
第六話 「強固な城壁」は、人々を恐怖や不安から守ってくれる―老戦士バンザルの確固たる自信
第七話 奴隷に成り下がっても、「人間としての誇り」を忘れなかった男―元奴隷、富豪の駱駝商人ダバシアの数奇な体験
第八話 「バビロンの知恵」は現代にも通用するか―出土した粘土板が伝える貴重な記録
第九話 幸福 それは「労働の喜び」を知ること―元奴隷、富豪の大商人シャルゥ・ナダの愛ある教え

おわりに 富が支えていたバビロンの繁栄(物語の舞台とその背景)
付記

読書ノート

『バビロンの大富豪』を読む目的

①お金を増やす基本的な知識を確認する
②多くのインフルエンサーがおすすめしているので読んでみたかった

といったことが本書を読むに至ったきっかけです。
お金についての知識はある程度持っているつもりなので、どちらかといえば②の方が強い。
リベ大の両学長をはじめ、多くのインフルエンサーがおすすめしているのであれば読んでみようか、と。

正直に言うと、電車でちょくちょく出かける予定が出来たので、電車の中でスマホで気軽に読めるお金の本を探していたから読んでみた、というところなのですが。

『バビロンの大富豪』を読んだ感想

おすすめのポイントでも述べた通り、はっきり言ってしまえば難しいことはなにも言っていないし、オリジナルな内容もないです。

・一所懸命働け
・収入の1割を貯蓄しろ
・貯めた金を投資に回せ
・借金は早く返済しろ

と言っているだけ。

最近はリベ大の両学長をはじめ、お金について有益な知識を無料で提供してくれているインフルエンサーも多いので、多少なりとも勉強してれば目新しいことは本当に全く何もない。

しかし、本書『バビロンの大富豪』の優れたところは、上に列挙した普遍的なお金の根本原則を分かりやすく面白い、そして人情味のある小説形式で紹介してくれていることです。

気がつけば物語の世界に没入してしまうので飽きることなく最後まで読み進められるのです。

特に気に入ったのが、各話の順番でした。
最後にこの話を持ってくるのか、と感動した次第
もちろん、感動するかどうかは人によるので一概には言えませんが。

そして、単に知識を伝えるのではなく人の感情に訴えかけるように書かれているのが素晴らしいと思いました。
読めば勇気が湧き、モチベーションが上がり、不安を落ち着かせる、といった効果が期待できるでしょう。

私は電子書籍で読んだのですが、眠れない夜などに読み返したいと思いすぐに紙の書籍も購入してしまいました。
一家に一冊あっていい本なのかなと思います。

『バビロンの大富豪』の不満点

一言で本書の欠点を言ってしまえば中途半端な内容ということでしょう。

具体的には2点です。

①特に専門的、具体的な深い知識が得られるわけではない
②楽しむための本ではないので本格的な小説ほど面白いわけではない

①について、繰り返しますが本書の言っていることは働き、貯蓄し、投資する、という単純なことなので、ある程度お金について勉強している人ならば誰でも知っていることです。

あくまでお金のことをあまり考えたことがなかったような人を対象にしたレベルの内容であることに注意が必要です。

②について、本書はあくまで教育的な観点で書かれていますので、独創性の高いストーリーはありません。
忌憚なく言ってしまえば子供向けの童話のようなレベルになります。

本書を娯楽として読もうと思う人はいないと思いますが、楽しめるかどうかは人によるでしょう。

①②から言えることは、すでにある程度お金について勉強し、知識を持ち、それらを実践している人であれば、知識的に得られるものはほぼ何もないということです。

まとめ

心に響くものがある本ではありますが、読むことによって有益な知識が得られるというわけでもありません。

私が満員電車の中でさくっと読んだように、時間が空いたときなどに電子書籍で手軽に読むような読み方をするのがいいのかな、と思います。

お金持ちになるための普遍的な基礎を手軽に楽しみながら学ぶことができる、ということが本書を不滅の名著たらしめている要因でしょう。


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