【感想】なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?(フィリップ・デルヴス・ブロートン)<45冊目>

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基本情報

【書籍情報】

書名なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?
原題The Art of the Sale: Learning from the Masters About the Business of Life
著者フィリップ・デルヴス・ブロートン(Philip Delves Broughton)
関 美和
出版社プレジデント社
発売日2013年8月31日
価格1,870円(税込)
頁数377ページ

【目次】

序章 世界を動かしているのはセールスだ!
第1章 拒絶と失敗を受け入れる
第2章 ストーリーと共感力で売り込む
第3章 生まれつきか、経験か
第4章 教祖と信者
第5章 誰にでもチャンスはある
第6章 芸術作品を売るということ
第7章 仕事と自我を切り離す
第8章 複合的な才能
終章 ものを売る力と生きる力
謝辞
解説 岩瀬 大輔
参考文献

おすすめのポイント

【おすすめ度】
★★★(5/5)

良かった点

1.セールスこそ商売の根幹であることがよく分かる!
2.セールスに決まった型はないということが分かる
3.セールスにとって重要な知識が網羅されている

気になった点

1.体系的にまとまっていない
2.出版されている国によって書名が全然違う

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感想

良かった点

1.セールスこそ商売の根幹であることがよく分かる!

もともと本書を読もうと思ったのは、「セールスこそビジネスで最重要要素である」という持論を確認するためです。

お金を稼ぎたいと思って考えた結果、稼ぐとは売ることだと思うに至りました。
つまり稼ぐとはセールスすることに他なりません。
結局売らないとお金は入ってこないわけですよ。

本書を読んで確信に変わりました。

ペリーキャピタルの創立者で、アメリカでもっとも成功した投資家の一人でもあるリチャード・ペリーは、単純に言い切った。「セールスがすべて。セールスができれば、利益は出せる」。

9ページ

「セールスがすべて」と同趣旨の言葉が頻繁に出てくる。

セールスだよ!世界を動かしているのは!

16ページ

すべてはセールスから始まる。どうお金を稼ぐか。どう人と接するか。どう成長したいのか。

356ページ

人間みんな薄々とは勘づいていることだと思います。

けど、セールスは失敗すると拒絶されるという苦痛があるためみんなやりたがらない。
組織で働けばセールスするのは営業マンに限られるので、セールスしなくても仕事が成立する人が大半です。

だからこそやらないといけない。
特に個人でお金を稼ぐのであれば何をしようとセールスをやらざるを得ない。

自分がセールスマンであるという認識を持つことこそ個人ビジネスの出発点でありましょう。

2.セールスに決まった型はないということが分かる

本書では著者が取材した世界中のセールスマンが紹介されています。
全員が独自の人生経験でセールスの能力を養っており、突出した個性を持っています。

それぞれが自分に合ったやり方でセールスをしているため決まった型というのはありません。

セールスする際には自分にあったやり方を見つけるということが大事なのでしょう。

3.セールスにとって重要な知識が網羅されている

とはいえ、決まった型がないとは言っても原理原則と思われるものは存在するようです。

・共感力が大事
・セールスにおけるストーリーの役割
・悲観的な人よりも楽観的な人の方が上手くいく
・セールスマンの仕事の秘訣は相手の話を聞くこと
・偉大なセールスマンに共通の資質は自分の商品を愛し、顧客にも同じ感情を抱かせる能力

他にも多々あります。

紹介されているセールスマンの個性が強いからこそ、共通の資質は原理原則と言っていいものばかりです。
本書で突出したセールスマンに共通している資質は、セールスを上手くやりたいなら絶対に身に付けなければならない素養といえるでしょう。

小手先ではなく普遍的に通用するセールスの心構えを知るには最適な本だと思います。

気になった点

1.体系的にまとまっていない

様々なセールスマンが紹介されており、特に体系的にセールスの技術がまとまっているというわけではありません。
文調としてはエッセイに近いと思います。

ページ数も多いため、はっきり言ってしまうと冗長に感じるところはありました。

読んでいて面白いのでそこまで不快ではありませんが。

2.出版されている国によって書名が全然違う

出版されている国によって書名が違うのが面白いですね。

イギリスThe Art of the Sale(営業の技法)
アメリカLife’s a Pitch(人生は売り込みだ)
日本なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?

なんか国民性が出てます。

本書はもともとイギリスで発売された本です。
著者のフィリップさんはイギリス人ですからね。

アメリカは英語を使ってるのになんで書名を変えるんでしょうね?
同じでええやん、と思うんですけど。

確かに『営業の技法』は固すぎてつまらない感じがします。
アメリカ人の国民性を考えたときの原題では売れないと判断されたのかもしれません。

日本人は権威に極端に弱いのか、「ハーバード」なんて入っています。
多いですね、有名な大学の名前がタイトルに入っている本は。

『営業の技法』ではインパクトが無さすぎるので、売れないよりはいいと思います。
『なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?』であれば内容が気になりますから。

ちなみに、なぜハーバード・ビジネス・スクールで営業を教えないのかは本書に答えがあります。
分かりやすい答えです。

セールスは、結果が測れる唯一の分野だ。それがMBAの学生には死ぬほど恐ろしいんだよ

284ページ

要は、「失敗したり拒絶されたりするので学歴エリートにはセールスは恐ろしい」ってことです。
本当に分かりやすいですね。

ですから、書名にはなっていますが、「なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?」という問いは別に本書の主題ではないと思います。

主題は様々なセールスマンの紹介とそれに対して著者がどう思ったのかということでしょう。

まとめ

★を5つにしようか4つにしようか悩みましたが、自分の知りたかったことが真正面から書かれていたので5つとします。
知りたかったことというのは、「セールスはビジネスにおいて最重要」ということですね。

共感力やストーリーテリングなど、セールスライティングにも通じるセールスの基本原理が学べたのも大きい。

セールスのやり方を紹介している本はいくらでもあるのですが、セールスの哲学を学べる本は少ない気がします。

セールスのみならず、自分でビジネスを持ちたい、つまり副業や起業をしてみたいという人は読んだ方がいいでしょう。
特に、セールスをしたことがない人向けですね。

お金を稼ぎたいと思ったらセールスからは逃げられません。
セールス=稼ぐ、ということです。

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