基本情報
【書籍情報】
書名 | シャンプーをやめると、髪が増える 抜け毛、薄毛、パサつきは“洗いすぎ”が原因だった! |
著者 | 宇津木 龍一 |
出版社 | KADOKAWA |
発売日 | 2013年8月9日 |
価格 | 1,540円(税込) |
頁数 | 174ページ |
【目次】
第1章 脱・シャンプーで髪が増えた―私たちの場合
第2章 シャンプーで禿げる理由
第3章 美髪をとりもどす実践宇津木流・水洗髪
第4章 からだこそ、「水洗い」が基本です
おすすめのポイント
【おすすめ度】
★★★★☆(4/5)
1.シャンプーは百害あって一利なし!
2.脱シャンプーは目にもいい!
3.脱シャンプーは環境にもいい!
4.というか体を洗うのにせっけん類は一切不要
5.ついでにけがをしたときの傷口は消毒する必要なし
6.つまり水は素晴らしい!ということ
1.書かれていることの全てを鵜呑みにするのはやや危険な気がする
2.結局自分で試してみて判断する必要がある

感想
良かった点
1.シャンプーは百害あって一利なし!
うすうす思っていたことではありますが、シャンプーは医学的な観点からは完全に百害あって一利なし、なようです。
理由を列挙してみると、確かにシャンプーをするメリットはないと言い切ってもいいと思われます。
重要な理由は主に2つです。
①シャンプーは洗浄力が強く、皮脂を根こそぎとりさってしまう
②シャンプーに含まれている化学物質は人体に有害
①が本書のタイトルにある通り、毛量に強く関わってきます。
シャンプーは洗浄力が強く、皮脂を根こそぎとりさります。そのせいで皮脂腺が発達して、髪へいくはずの栄養がこの皮脂腺に吸い上げられてしまうことも、薄毛をまねく大きな要因です。
5ページ
つまりシャンプーによって頭皮の脂をとりさるのはやりすぎということです。
そもそも、皮脂は必要があるから分泌されているわけなので、無理にとりさってきれいにしすぎるのは逆効果ということになります。
一定の皮脂を残すことで頭皮や髪の毛を守る必要があるということです。
これはよく聞く話なのでその通りでなのでしょう。
さらに②にある通り、シャンプーには大量の化学物質が含まれています。
これが体にいいわけがありません。
特に界面活性剤や防腐剤などは頭皮にダメージを与え、頭皮から体内に有害な成分を浸透させてしまうとのことです。
これも言われてみればその通りと思います。
個人的には、そもそもなぜシャンプーをしているのかがよく分からなくなるレベルで納得できました。
すっきりするような気がするからシャンプーをしていただけですから。
2.脱シャンプーは目にもいい!
なぜシャンプーをやめると目にもいいのか?
それはシャンプーが垂れてきて目に入る、ということがなくなるからです。
シャンプーが目にしみるということがなくなるということですね。
当然ですがシャンプーに含まれている化学物質が目にいいわけがありません。
これは髪の毛や頭皮以上に有害です。
当たり前ですよね。
シャンプーは目につけることを前提に作られているわけではありませんからね。
目は「むき出しの臓器」と言われるくらいデリケートな器官です。
目を保護する観点からもシャンプーを止めることには強い説得力がありました。
3.脱シャンプーは環境にもいい!
これは健康そのものには直接関係ないのでおまけです。
当然ながらシャンプーを垂れ流すことが環境にいいはずありません。
河川や海にとってシャンプーが有害であることは言うまでもないですよね。
つまりシャンプーは人間だけでなく環境にも悪いということです。
4.というか体を洗うのにせっけん類は一切不要
シャンプーの話ばかりしてきましたけど、本書はそもそも体を洗うのにせっけん類は一切いらん!と主張しています。
せっけん類が人体にとって有害な物質で構成されている、というのもありますが、もう一つ重要な理由があります。
それは体に存在している常在菌を殺してしまうということです。
常在菌は頭皮を含め、人体にとって必要な働きをする菌ですから、これを殺してしまうせっけん類の使用は健康に悪影響だということです。
気になるのは性器やお尻、足、わきなどだと思いますが、こういった部分もせっけんではなく水洗いで十分だそうです。
というか常在菌を殺してしまうと臭いなどの観点からも逆効果だとか。
どこまでせっけん断ちするかは人それぞれかと思いますが、使わなくて済むのなら経済的な観点からも使わない方がいいと思えました。
本書に限らず、たとえば南雲吉則先生もせっけん類の使用には否定的です。
特別な理由がない限りはせっけん類の使用はやめる方向で考えた方がいいのは間違いなさそうです。
5.ついでにけがをしたときの傷口は消毒する必要なし
これはもうシャンプーとはだいぶ違う話ですが、けがをしたときの傷口も消毒は不要だそうです。
つまり水洗いで十分、というか水で洗うだけで済ませるべきだとか。
私も幼少期より医療従事者の両親から消毒はしないように指導されてきたのでほぼ間違いないと思われます。
擦り傷で消毒したことはありません。
なぜかといえば「水」が人体にとって優れた液体だからです。
6.つまり水は素晴らしい!ということ
結局、人体につけるのは「水」で十分、ということなんです。
清潔感の観点からも、傷を治す観点からも、「水」は人体にとって極めて親和性の高い液体だということです。
著者の宇津木先生は医師の出発点としてやけどの治療を行っていたようですが、生理食塩水(ただの薄い塩水)で治療をした患者が一番回復が早かったそうです。
無理に薬品を使うと回復が遅れたり悪化することもあったとのこと。
もちろん薬が必要になる場面はあります。
しかし、余程特殊な状態でない限りは水のみでの治療が最善だったそうです。
「水」以外の液体を体に塗り付ける場合はその意味を吟味してからやるべきなのでしょう。
気になった点
1.書かれていることの全てを鵜呑みにするのはやや危険な気がする
この手の医療系の本はどうしても効果を誇張するところがあります。
書かれていることを鵜呑みにするのは危険ではあるでしょう。
例えば、「シャンプーをやめると髪の毛が増える」ということですが、薄毛の原因は人それぞれなのでシャンプーをやめたくらいでハゲが治るとは限りません。
店舗においてあるアルコール消毒液なども全否定されていますが、これも極端な気がします。
もし宇津木先生の言葉を全面的に信用するなら、日本は全国で意味のないことをしていることになります。
しかし、さすがにそれはない気がしますね。
本書が発売されたのは2013年なのでコロナ発生よりも前のものではあるのですが。
そんなわけで、本書の内容については結局自分自身で判断するしかないところがあります。
2.結局自分で試してみて判断する必要がある
本書の内容については自分自身で実践して判断するしかありません。
しかし、信憑性はかなり高いと思っています。
本書では脱シャンプーに体が慣れるまでには4~5か月ほどかかるとしています。
患者さんの頭皮を診ている限りでは、水洗髪をスタートして3週間ほどたつと、皮脂の分泌量がすくなくなりはじめるようです。そして、個人差はありますが、皮脂腺がすっかり小さくなって、ベタつきを感じなくなるのは、4~5か月後といったところでしょうか。
84ページ
この4~5か月という数字は私が湯シャンに興味を持つきっかけになったトーマスガジェマガさんの6か月という数字とほぼ一致しています。
私の脱シャンプー実体験
この記事を書いている2025年8月26日の時点で脱シャンプーをして1週間ほど経過しました。
私の場合は3~4日目にわずかに頭皮が痒くなったような気がした程度で、他にはほとんど違いがありません。
髪の毛に皮脂が残るので、髪の毛がうるおい常に立つようになったというくらいでしょうか。
髪の毛に皮脂が残るのはいいことですよ!
脱シャンプーと同時に洗顔フォームを使うのもやめてしまいましたが、これも何の問題もありません。
現在はボディーソープだけ使っているのですがこれもやめる方向で考えています。
やめたところで何の違いもないのであればつける意味がないですからね。
まとめ
信憑性にやや疑義があるため★を4つとしていますが、本書の内容を信じても問題ないと思います。
少なくとも、シャンプーやボディーソープを使うことをデフォルトとするのではなく、水だけで洗うことをデフォルトで考えるべきでしょう。
問題が発生した場合にはじめてせっけん類を使うことを考えるべきと思います。
ただし、これまでの人生で何十年もせっけん類を使用してきた場合は、特に頭皮に関しては慣れるまでに時間がかかるのは間違いありません。
半年弱の時間を信じて耐えられるかが問題になります。
シャンプーは髪の毛だけではなく皮膚に対してダメージを与えるようなのでやめられるのであればやめるべきでしょう。年を取るほどダメージは顕著になるようです。
せっけん類に限らず、資本主義社会では本来人間には必要ないのに企業の利益のために大衆に提供されている有害物がたくさんあります。
砂糖やインターネットポルノなどの超常刺激もそうでしょう。
お金と時間をかけて健康にダメージを与えることが常識的に行われているのです。
もしアンチエイジングを含めた健康面に意識が向く人であれば本書は一読をおすすめします。
はっきり言って、シャンプーをはじめとするせっけん類の使用が馬鹿馬鹿しくなると思います。
