おすすめのポイントと基本情報
【おすすめ度】
★★☆☆☆(2/5)
【おすすめのポイント】
Chatter(チャッター)すなわち心の中の独り言という斬新な切り口を前面に押し出しています。
しかし、本書におけるチャッターとはネガティブな感情といった程度の意味しかありません。
26の方法は、ネガティブな感情を払拭するための一般的な方法論が多く、特にチャッター対策というわけでもないでしょう。
チャッターそのものについて知りたい人にはおすすめしにくいですし、ネガティブな感情をコントロールしたいのであれば本書である必要はないという気がします。
【おすすめしている人】※リンク先はYouTube
・メンタリストDaiGoさん
→【2023年】年始に読むと人生変わる本TOP5
書名:Chatter(チャッター) 「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法著者:イーサン・クロス
訳者:鬼澤 忍
出版社:東洋経済新報社
発売日:2022年11月18日
価格:1,980円(税込)
はじめに
第1章 内なる声はなぜ存在するのか
第2章 自分に話しかけることが引き起こす問題
第3章 問題からズームアウトする
第4章 他人の視点を手に入れる
第5章 他人との対話がもたらす功罪
第6章 環境の持つ力を利用する
第7章 科学が解明した「信念」の力
結論
チャッターを制御するための26のツール
謝辞
原注
読書ノート
『Chatter』を読む目的
本書にも書かれている通り、人間は四六時中色々なことを言葉で考えています。
つまりチャッターです。
チャッターが私たちの行動に影響を与えていることは明白であり、チャッターを変えることにより人生を良くしたいと考えるのは自然な事でしょう。
そこで本書を読む目的は
チャッターを改善することで人生をより良くしたい
ということになるでしょう。
『Chatter』を読んだ感想
残念ながら、本書におけるチャッターは単にネガティブな感情といった程度の意味しか持っていない、というのが正直な感想です。
チャッターをネガティブな感情として捉えるのであれば、決して悪書というわけではありません。
しかし、チャッターという言葉を用いながら、内容はネガティブな感情に対する一般的な対策方法にとどまってます。
具体的には、
・思ったことを紙に書いてみる
・ソーシャルメディアの使用を減らす
・環境を整える
・自然に触れる
さすがにこの内容で300ページ近くも稼ぐのはいかがなものでしょう。
『Chatter』の不満点
チャッターという現象について具体的なことが書かれていないというのは致命的に思えます。
自己啓発の世界にチャッターという新たな概念を導入したように見せて、目新しさを演出しているだけのように思えます。
ネガティブな感情に対する対策を考えるのであれば、ストレス、怒り、不安、などの個別の感情に対応している具体的な良書がたくさんあるので本書を選ぶ理由はありません。
メンタリストDaiGoさんがおすすめしていることについて
DaiGoさんは動画で本書をおすすめしています。
この動画のDaiGoさんの話をまとめると、要点は2点です。
この①②こそが読者が知りたいことであり、本書『Chatter』に求めていることでしょう。
問題なのは、本書『Chatter』では①②についてほとんど書かれていないということです。
せいぜい題名くらいです。
もしネガティブな感情という広い対象ではなく、頭の中の独り言に限定して方法論を知りたい方は、思い切ってDaiGoさんのDラボを視聴したほうがいいかもしれません(Dラボは有料)。
まとめ
本書では巻末に26の方法を全てまとめている部分があります。
もし立ち読みできるのであれば26の方法にまず目を通すことをおすすめします。
26の方法に興味があれば通読してみてもいいかもしれません。
否定的なことばかり書いてきましたが、他のメンタルコントロールの書籍の補強になったと考えれば読んで無駄だったということはない、と考えています。
まあ、良書だとはさすがに思えないのですが。