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【読書ノート】DIE WITH ZERO(ビル・パーキンス)

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目次

おすすめのポイントと基本情報


【おすすめ度】
★★★★☆(4/5)

【おすすめのポイント】
お金は使い切って死ぬべき、ということについて人生が有限であるという観点から力説している本です。

大半のお金に関する本は本書とは真逆で、無駄遣いをせずに貯金して投資することを進めています。
しかし、冷静に考えればお金は使ってこそ価値を発揮する面もあるので、使うことを考えないのは片手落ちでしょう。
類書がほとんどないため、ほぼ必読ではないかと思います。

ただし注意点もあるので、それについては不満点で解説しています。

紹介している著名人も多いだけあって読む価値が高いマネー本であることは間違いありません。
内容が痛烈すぎてある程度年を取ってから読むとプラスの影響ばかりではないかもしれませんが。

【おすすめしている人】※リンク先はYouTube
・メンタリストDaiGoさん
【2023年】年始に読むと人生変わる本TOP5
両学長
第219回 【ゼロで死ね】死ぬときに「資産をゼロ」にするのは正しいか?【お金の勉強 初級編】
・マコなり社長
【超要約】人生で必ず読むべき本 100選
・田端信太郎さん
お金は死ぬ前に使い切ろう。
・三崎優太さん(青汁王子)
復活の狼煙!暴露合戦の未来は…次の爆益チャンスはこれしかない!

書籍情報

書名:DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
著者:ビル・パーキンス

訳者:児島 修
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2020年9月
価格:1,870円(税込)

目次

まえがき
ルール1 「今しかできないこと」に投資する
ルール2 一刻も早く経験に金を使う
ルール3 ゼロで死ぬ
ルール4 人生最後の日を意識する
ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える
ルール6 年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する
ルール8 45~60歳に資産を取り崩し始める
ルール9 大胆にリスクを取る

あとがき
謝辞
参考文献

読書ノート

『DIE WITH ZERO』を読む目的

お金について“使う”という観点から学ぶ

大半のお金の本は貯金や金融資産への投資を勧めているが、自分の成長のためにあらゆる本を読んでいると、自分自身に投資するということについて書かれているものも多いです。
つまり、単に経済的にお金を増やすだけでなく、上手く使うことで人生をより充実されることができるということです。

そこで、お金について使うという観点から学んでいこうと思い本書を読むことにしました。
要は使うべき金は躊躇せずに使った方がいいのではないか、ということを確認したかったのです。

『DIE WITH ZERO』を読んだ感想

思った以上にお金はガンガン使った方がいいという現実

もちろん、無駄遣いをしろというわけではないのですが、本書を読むと私たちの人生の中でお金を有効活用できる期間は思ったよりもはるかに短いということを思い知らされます。

人には、お金に限らず、健康と時間という重要かつ有限な資産がある。

本書では、金・健康・時間のバランスを考えて、金の価値を最大化できるのは26~35歳と結論付けている。

金の価値を最大化できるのは26~35歳!

極端かもしれないが、最大化を突き詰めれば大きく外れてはいないだろう。

恐らく大半の読者はこの年齢を超えているのではないだろうか。

この記事を執筆している2024年7月の時点で、上述した本書をおすすめしている5人の著名人で35歳以下に該当するのはマコなり社長と青汁王子だけだ。しかも34歳と35歳なのでギリギリ。

もちろん35歳を過ぎたからって状況が極端に変わるわけではない。
しかし、若い方がお金を使ったときの価値を高められるというのは直感に合致する。
30歳のときに1億円もらうのと、80歳のときにもらうのではありがたみがまるで違う。

では、そのお金を使って何をするのかというと、経験に投資するのだという。
なぜなら、人生で一番大切な仕事は“思い出づくり”だからだ。

人生で一番価値があるのは経験であり、それゆえに、人生で一番大切な仕事は思い出づくり”

経験の価値は色々な測定基準があるが、本書で紹介されているのは経験から記憶の配当をもらえるということ。
経験が充実しているほど、その記憶が時折甦り、自分の人生が豊かなものであると感じさせてくれるということだ。

私もブログを書いているから思うが、どんな経験でも記事にすることができるというのは感じている。
お金や物については何歳でも得ようと思えば得られるが、経験だけはそうはいかないのだ。

内容によって経験できることには期限がある

本書では、「いつまでも子ども用プールで遊べると思うな」という痛烈な一言で期限の切実さを表現している。

このように、人生が進むごとにできることが変化していくことはある意味で小さい死を繰り返しているのだと。

人は生涯を通じて何度も小さな死を経験する

できることはできるうちに金をけちらず行動に移さなければならない。
本書を読むと危機感ばかりが湧いてくるのだ。

本書は平易な言葉で書かれているので誰でも読むことができるだろう。
細かい専門知識などもほとんど出てこない。

お金を貯めることばかりに集中してしまうと人生で本当に大切なものを見失ってしまうだろう。

新NISAが始まり投資熱が加速しているが、稼いだお金を使うことも重要だ。
人生のバランスを取るためにも本書は必読の一冊に思えました。

『DIE WITH ZERO』の不満点

本書はお金を使うことの重要性を教えてくれる名著であることは間違いないが、2つの点から問題もあると感じました。

①そもそも多くの人には今お金を使うほどの余裕がない
②専門的な観点で書かれていないので情報の信憑性が怪しい

①について、お金を有効に使えるうちに使いなさいというのはその通りでしょう。
しかし、普通に生活している人たちにはお金に余裕がないというのも事実です。

著者は45歳のときに億単位と思える出費をして1週間に及ぶ誕生日パーティーを開いています。
あくまで例示であり自慢しているわけではないのは分かりますが、そんなことをできる人間はごく一握りでしょう。

お金を使いたくても使えない、世の多くの人はそのレベルであるため、結局お金を作るところから始めなくてはいけません。

ただし、貯めたり投資するだけではなく人生を充実させるために使うことも忘れるな、という指摘は人生のバランスをとるためにも有益な内容であることに疑いはありません。

②について、本書はファイナンシャルプランナーのような立場の人が書いていないので具体的な内容についてはそこまで信頼感はありません。

例えば、本書では45歳~60歳で資産をピークにし、使うことによって資産を減らし始めろとアドバイスしています。

これは実践しようとするとかなり難しいでしょう。
というのも人間は心理的にマイナスの変化に強い不快感を覚えるからです。

仮に55歳くらいからこの本のアドバイス通り資産を崩し始めるとして、55歳まで増え続けていた資産が以降は死ぬまで減り続けるということに何も感じない人はいないでしょう。

仮に55歳時点で3億円くらい持っていたとしても、死ぬまで資産が漸減し続ければ不安の中で生き続けることになるかもしれません。生きていくだけなら十分な資産が残っているとしてもです。

実際におすすめしている人で紹介している両学長も、この本の通りには従わないと述べています。

私も資産の取り崩しについては全く従う気になれません。

お金を使うことの重要性は分かりますが、本書の提案にそのまま従っていいわけではないでしょう。
本書の内容を自分自身で消化して、自分が納得できるように自分の人生に合わせた選択をすることが重要になります。

まとめ

本書は、貯めること投資することに偏ってしまっている人がバランスを取るために読むのがいいのではないかと思います。

マネー系の本の中ではトップレベルにバカ売れしている本ですが、思考のベースになるものではありません。
あくまでこういう考え方もある、と参考程度に読まなければならないように感じます。


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