おすすめのポイントと基本情報
【おすすめ度】
★★★★★★(5/5)
【おすすめのポイント】
先延ばし対策の決定版。
この記事執筆時点の2024年2月時点ではこの本以上の先延ばし対策本はないと思われる。
先延ばしのタイプ、起源、原因、影響、対策、と先延ばしに関するあらゆる情報が詳細に語られている。
対策も素晴らしいが、最大のポイントは、人生を良くするために取り組まなければならい最優先事項が先延ばし対策である、ということを痛切に感じさせてくれるところだ。
結局人生は時間との闘いになるため、目的を成就するための行動は早ければ早い方がいい。
時間を有意義に使うための意識改革をしてくれる、先延ばし対策のみならず時間活用のための必読書。
【おすすめしている人】※リンク先はYouTube
・メンタリストDaiGoさん
→やるとやばい先延ばし、やってもいい先延ばしの違いとは
書名:ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか
著者:ピアーズ・スティール
訳者:池村 千秋
出版社:CCCメディアハウス
発売日:2012年6月28日
価格:1,980円
はじめに
第1章 先延ばし人間の実像―逃避行動と衝動の関係は
第2章 先延ばしの方程式―行動主義心理学が解き明かすタイプ別症状
第3章 サボる脳のメカニズム―先延ばしの起源は9000年前だった
第4章 現代社会は誘惑の巣窟―フェイスブック断ちが長続きしないわけ
第5章 私たちが失うもの、悔やむもの―キャリアも財産も健康も危ない
第6章 企業と国家が払う代償―アメリカで1年間に生じる損失は10兆ドル
第7章 自信喪失と自信過剰の最適バランス―「どうせ失敗する」を克服する
第8章 やるべきことに価値を吹き込む―「課題が退屈」を克服する
第9章 現在の衝動と未来のゴールを管理する―「誘惑に勝てない」を克服する
第10章 さあ、先延ばしを克服しよう―必要なのは信じること
おわりに
読書ノート
『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』を読む目的
①仕事や勉強に素早く着手することで、自分の時間を最大限有効に活用できるようにしたい。
②合わせて、仕事や勉強に着手するまでの生産性のない浪費時間を減らしたい。
毎日仕事や勉強に取り組んでいると、自分の目標達成に対しての進捗を早くしたいという衝動に随時かられることになる。
目標達成を早めるためには、有意義な時間を増やし、生産性のない浪費時間を減らす必要がある。
そのために、やるべきことに着手する前にだらだらする時間を可能な限り減らしたい、というのが本書を読む目的だ。
『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』を読んだ感想
前回の記事で、『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』と同趣旨の本であるメンタリストDaiGoさんの『先延ばしする人は早死にする!』のレビューをした。
『先延ばしする人は早死にする!』では具体的な方法が列挙されている。
私自身部分的にはすでに取り入れているものもあるが、まだ実践できていないことも多い。
そのため、別の本を読む必要性はないかと思ったのだがこれが大間違いだった。
『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』を読むメリットは、先延ばし対策の方法を知るということではなく、先延ばしがいかに致命的なものなのかを痛切に感じることができるようになることだ。
本書を読めば、先延ばしというのは悪癖などという個人レベルの話ではなく、人間が進化の過程で保有するに至った遺伝的な習性なのだということが分かる。
したがって、対策を立てずに放っておいた場合の悪影響の大きさは凄まじく、国家レベルの大損害を発生させていることはもちろん、当然私たち個人の人生を悪い方向に変えてしまうほどの力がある。
本書を読めばこういった先延ばしの問題を様々な観点から多角的に説明してくれているため、先延ばしに対する警戒感が跳ね上がることになる。
ちょっとぐずぐずしてしまうところがあるから治したいなぁ、なんて考え方は生温すぎるということだ。
この意識改革をしてくれるところに本書の最重要の価値があるということ。
また、先延ばし対策の方法についても、先延ばし癖のタイプ別に効果的なものを複数紹介してくれているので実践的な情報も役に立つ。
目次とページ中の見出しの双方で強調されているので抽出も容易だ。
先延ばし対策の本は数が少ない。
先延ばしをなんとかしたいと思った場合、本書を読まない理由はないと思われる。
『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』の不満点
ボリュームがあるにもかかわらず、軽妙な語り口で飽きさせない工夫もあるので不満らしい不満はない。
強いて言えば、先延ばしに有効な対処法が100%網羅されているわけでなく、メンタリストDaiGoさんの『先延ばしする人は早死にする!』にしか書いていない方法もある。
両方読んで補完するべきだろう。
つまり、決定版的内容とはいえ『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』だけで全て完結させようとは思わない方がいい、ということだ。
まとめ
人生の時間は有限であるため、時間を浪費させる先延ばしは真っ先に対処しなければならない重要事項だ。
先延ばしは遺伝的な要因で生じるため、無関係な人はほとんどいないだろう。
自分の先延ばし癖が気になったら早期に対応べき課題であることを理解させてくれる名著だと感じた。