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【読書ノート】習慣の力(チャールズ・デュヒッグ)

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目次

おすすめのポイントと基本情報


【おすすめ度】
★★☆(4/5)

【おすすめのポイント】
悪い習慣を治すことに特化して書かれている良書。

効果的な方法一本に絞り込んでいるので取り組みやすい

もっとも、それでいて文庫本で400ページ以上もあり、ほとんどが手法の解説ではなくエピソードや事例になっている。

自分の習慣を改善したくて本書を読む場合は取捨選択して読み進めた方が良い

書籍情報

書名:習慣の力
著者:チャールズ・デュヒッグ

訳者:渡会 圭子
出版社:早川書房
発売日:2019年7月4日
価格:1,122円

目次

プロローグ
第1部 個人の習慣
 第1章 「習慣」のメカニズムー行動の4割を決めている仕組みの秘密
 第2章 習慣を生み出す「力」ーファブリーズが突然大ヒットした理由
 第3章 習慣を変えるための鉄則ーアルコール依存症はなぜ治ったのか
第2部 成功する企業の習慣
 第4章 アルコアの奇跡ー会社を復活させた、たった一つの習慣
 第5章 スタバと「成功の習慣」ー問題児をリーダーに変えるメソッド
 第6章 危機こそ好機ー停滞する組織をいかに変革させるか
 第7章 買わせる技術ーヒット商品を自在に生み出す秘策
第3部 社会の習慣
 第8章 公民権運動の真相ー社会運動はどのようにして始まるのか
 第9章 習慣の功罪ーギャンブル依存は「意志」か「習慣」か
付録ーアイデアを実行に移すためのガイド
ペーパーバック版あとがき
解説 「生活習慣、それがすべてです」/陰山英男

読書ノート

『習慣の力』を読む目的

悪い習慣を取り除くことにより日々の生活の質を高めること

運動をする、勉強をする、などの良い習慣を身に付けることと、悪い習慣を取り除く行為は完全に別物だと考えられる。

多くの習慣の本は前者の良い習慣を身に付けることに焦点を当てているものが多い。

そこで、悪い習慣を取り除く方法を知りたいと考えた。

『習慣の力』を読んだ感想

悪習を取り除く方法について現実的で効果的と思われる方法が端的に解説されている。

本書によれば習慣とは3つのパートで構成されている。

①きっかけ → ②ルーチン → ③報酬

例えば飲酒や喫煙、ギャンブルといった悪習そのものは習慣の中では②のルーチンに当たる。

悪習を取り除くには、単にその行為をやめるのではなく、①きっかけと③報酬を理解した上で、②ルーチンを別のものに変更する、という方法が有効ということだ。

悪習自体をやめようとしてやめるのはまず無理だろう。
我々はその悪習をすることでストレス解消をしたり何らかの報酬を得ているからだ。

そこで、報酬を得られるより無害、場合によっては有益な方法に置き換えるわけだ。
例えばストレス解消であればタバコを吸うよりも運動をした方がはるかに建設的だ。

本書は上記の方法について、キーストーンハビットや転換点といった概念を用いて肉付けを行っている

それらの方法論は、特定の個人が実行したものではなく、企業や研究機関などの多数の参加者によって効果の裏付けが取れているものばかりだ。

悪習を改める手法を紹介する本としてはこれまで読んだものの中で最も参考になる内容だった。

分厚い本ではあるが、382ページ以降の「付録」で方法論のみを抽出してくれているので自分で実践することを考えている人にも親切な内容になっている。

『習慣の力』の不満点

読んでいて不満を感じることはほとんどなかった。

エピソードが多いものの、研究機関や大企業で行われたものが多いため信憑性が高く参考になる。

第2部や第3部は企業や社会を対象にしているが、その中にいる個人に焦点を当てているものもあるため、こちらも個人的に参考にできる部分があった。

自分にとって不要だと思う部分を読み飛ばしさえすれば分厚いながらも読みにくい本ではないだろう。

まとめ

悪習を改善する方法が端的書かれている

“やめる”のではなく“置き換える”という発想であるため、単純に悪習をやめようとするよりも効果的だろう。

悪い習慣を改善する方が良い習慣を身に付けるよりも人生を良くするために有益だと思われるので、悪習を治したいと考えている人は真っ先に読んだ方がいい本と言える。


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