MENU

【読書ノート】なぜ「やる気」は長続きしないのか(デイヴィッド・デステノ)

当サイトは広告を利用しています。
目次

おすすめのポイントと基本情報


【おすすめ度】
★★★★★(5/5)

【おすすめのポイント】
仕事や勉強で成果を出したい人にとっては必読の一冊。
成功するためには他社との社会的つながりが大事であるという至極当然の結論を突き付けている

具体的には、

①感謝
②思いやり
③誇り

という3つの感情により人の自制心は高まるということを論じている。

逆に、社会的な孤独や孤立は人を成功から遠ざけるしまう、という一匹狼的な生き方をしている人には耳が痛すぎる内容になっている。

書かれていることは社会に出てある程度年数が経っていればなんとなく察せられる事実だが、それをはっきりと言い切ってくれているところが本書のポイントだ。

人生を自分一人だけで何とかしようとするのは危険であることに気づかせてくれる名著であることから最高評価とした。

【おすすめしている人】※リンク先はYouTube
・メンタリストDaiGoさん
【時間術】仕事から帰宅した後にやる気を出す方法

書籍情報

書名:なぜ「やる気」は長続きしないのか
著者:デイヴィッド・デステノ

訳者:住友 進
出版社:白揚社
発売日:2020年2月14日
価格:2,640円

読書ノート

『なぜ「やる気」は長続きしないのか』を読む目的

仕事や勉強などの有益な時間を増やすために、モチベーションを高め、維持する方法を知る

本書を読んだ時点での自分の課題として、仕事や勉強などの将来に対する投資にあたる行動の量を増やしたいと考えていた。
そのための方法の一つとしてやる気、すなわちモチベーションを利用する方法を知りたい、というのが本書を読んだ目的だ。

『なぜ「やる気」は長続きしないのか』を読んだ感想

結論を言えば、知りたかった知識よりもはるかに重要な知識を得ることになった。
それはすなわち、

成功には社会的な人とのつながりこそ最重要!

というなんとなく分かっていても、誰もはっきりと言わない事実だ。

まず、本書は成功に必要な要素としてやる気というよりは自制心に焦点を当てている。

つまり、仕事や勉強などの根気のいる行動について、忍耐強く取り組めるようになるにはどうすればいいのか、という視点だ。

この点について、一般的な書籍は自制心を欲望という感情を理性で排除することを目指しているものが多い。
感情は自制心の阻害要因であるため理性により感情を抑え込むことこそ自制心を機能させるという考え方だ。

しかし、本書は自制心を機能させるためにはむしろ感情を上手に使わなければいけないということを一貫して説いている。
そして、自制心を機能させるために重要となる感情が下記の3つだ。

①感謝
②思いやり
③誇り

これらの感情を抱いたときに人の自制心は強化され、忍耐力の必要な作業にもより長期間取り組み続けることができるようになることを様々な研究により解き明かしている。

そうなると次に重要になるのはこれらの感情はどうすれば生み出すことができるのかということになる。
本書では感謝日記をつけるといった細かい技術も紹介されてい入るが、結局重要なことは一つだけだ。

孤独・孤立を避け、社会的に良質な人とのつながりを持つこと

これは、努力は一人でするもの、という考え方を持っている人にはかなり衝撃的な指摘だろう。
一人孤独に努力するのは非効率だと言っているのだ。

しかも、孤独や孤立というのは自制心の観点からマイナスというだけではなく健康をも損なうというデータも示している。
最早モチベーション云々の話には留まっていないのだ。

元々はやる気を高めるために本書を読み始めたが、結果としては孤独や孤立を避け、人とのつながりを増やさなければいけないというはるかに重大な気付きを得ることができた。

以上が本書に最高評価を付けた理由である。

なお、私自身の体験からも本書の提言には説得力があると思っている。
一例を挙げると、難関大学受験や司法試験のような高度な資格試験において、一人でこもって勉強している人と、学校などに通い友人との交流もある人では後者の方が合格率が高いのだ。

本来勉強は一人でするものなので、一人で自由に勉強できる環境の方が結果を出しやすいように思える。
しかし現実は逆だ。

予備校講師の中にははっきりと、「一人で家にこもって勉強するのは良くない」と指摘する人もいる。

このような事情を経験していることが、私が本書の内容に納得した理由でもある。

『なぜ「やる気」は長続きしないのか』の不満点

特にこれといった不満はない。
分厚い本なのに飽きることなく読み進めることができた。

強いて言えば、実験の結果についてはもっと数字を出して欲しかったということはある。
自分にとって都合のいい事実については数字を出すが、それ以外については結果だけ示してさらりと流しているような印象を受けることがあった。

どうぜなら丁寧に数字を出してくれた方がより内容の説得力が増すのではないだろうか。

まとめ

人とのつながりの重要性を理解している人にはそこまで大きな気づきはないだろう。

逆に、自分の環境において孤独や疎外感を感じている人は必読の一冊だと思う。
残念ながら孤独でいると単に仕事や勉強のパフォーマンスが落ちるだけではなく健康面にまで悪影響が出てしまう。

人間としてよい人生を送るには人とのつながりが大切だという当たり前の事実をはっきりと認識させてくれる


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次