【感想】金儲けのレシピ(事業家bot)<42冊目>

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基本情報

【書籍情報】

書名金儲けのレシピ
著者事業家bot
出版社実業之日本社
発売日2020年12月14日
価格1,650円(税込)
頁数142ページ

【目次】

まえがき
レシピ0 商売の原理原則
レシピ1 消費者から買う
レシピ2 客に作業させる
レシピ3 まとめると高くなる、切り分けると高くなる
レシピ4 1:n構造を作る
レシピ5 両方から金をもらう
レシピ6 合法的に麻薬を売る
レシピ7 確率をいじる
レシピ8 空気を売る
レシピ9 意思決定に介入する
レシピ10 仕入れで儲ける
レシピ11 他人の財布を狙う
レシピ12 高いものはいいものだ
レシピ13 勝手に「権威」になる
レシピ14 信者ビジネス
レシピ15 究極のレシピ

おすすめのポイント

【おすすめ度】
★★★(5/5)

良かった点

1.俗物的な題材に反して意外にも専門的な知識が語られている
2.やっぱりビジネスでは競争しちゃダメ!
3.儲けるための視点の宝庫!

気になった点

簡潔にまとまりすぎていて量が少なく感じる

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感想

良かった点

1.俗物的な題材に反して意外にも専門的な知識が語られている

『金儲けのレシピ』なんていう俗物的なタイトルであるにもかかわらず、学術的背景のある内容であることに驚きました。

著者は東大中退ということですが、東京大学というのはある意味で入学することが大変なわけです。
つまり東大中退の時点で勉強のできる頭の持ち主ということになります。

マキャベリ、ピケティ、ヴェブレンといった学術的な分野の書籍からの引用があったりします。

さらに、LTV(Life Time Value)やCAC(Customer Acquisition Cost)といったマーケティング用語も用いて説明されています。

本書は感覚的に書かれたものではなく、極めて論理的に金儲けの方法が分析されているように感じました。

2.やっぱりビジネスでは競争しちゃダメ!

私は本書を読む前に以下の2冊を読んでいます(ブルー・オーシャン戦略については読み途中)。

・ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか(ピーター・ティール)
・[新版]ブルー・オーシャン戦略(W・チャン・キム他)

この2冊のいずれでも、「ビジネスでは競争してはいけない」ということが主張されていました。

もちろんなんとなくは分かるんです。
けど、ピーター・ティール始の『ゼロ・トゥ・ワン』については著者個人の思想が強く出過ぎていたため、あまり腑に落ちませんでした。
ブルー・オーシャン戦略はもっぱら企業の例が上がっていたので、『ゼロ・トゥ・ワン』よりは分かりやすいけど、個人が実践するとなると専門的すぎるなと。

しかし、本書『金儲けのレシピ』ではダイエーの例を出して1ページ程度でさらりと解説しているだけなのにやけに説得的なんですよ。
「ああ、競争したら儲からないんだな」と。

おそらく内容が卑近すぎるがゆえに、身近に感じられたからでしょう。
持ち出されているダイエーの例は個人ではなく企業の例なんですけどね。

どういうわけかこの本、記述全体に異様に説得力があります

3.生々しい金儲けの視点の宝庫!

これが本書の一番の肝でしょう。
結局儲けるというのはこういうことをすることなんだと。

私が一番印象的だと思ったのは、「レシピ6 合法的に麻薬を売る」に書かれていた次の記述です。

オシャレっぽい雰囲気を出して、白い粉を客の口にぶち込め!

白い粉というのは「砂糖、小麦粉、脂肪」の事です。
要は原価率の低い依存性のある食べ物ということですね。

端的に言えば、儲かる物を売れ、ということなんですよ。

本書には書かれていませんが、砂糖、小麦粉、脂肪なんていうのは体に悪いです。
依存性があるんだからなおさら。

けど合法的に売れるのだから売れと言っているわけです。

賛否はあるでしょうが、金を稼ぐことに固執することは利益を出すためには必要なことでしょう。
我々がやらなくたってどうせ他の誰かがやるわけですしね。

別に本書はこのように悪質にも見えることばかりが書かれているわけではありません。
とはいえ、人間の認知にバグがあるところにこそ儲けがある、というスタンスでレシピ0から16まで、様々な手法が紹介されています。

しかも、「冷静に考えれば誰かが損をしている」と思えるような手法です。
もちろん、損している(と思われる)側は分かっていてやっているようなところもあるので、損をしているとも言い切れないんですけどね。

現実社会で儲けている人たちは確かに誰もがこの本に書かれてあるような状況を作り出しているように思えます。
冷静に考えると「それ、おかしいでしょ!?」みたいな。

そんな儲けのからくりを原理原則として論理的に説明し体系化してくれていることが本書の最大の価値だと思いました。

気になった点

簡潔にまとまりすぎていて量が少なく感じる

本書はたったの142ページしかありません。
分かりやすく書かれている上に、単純に面白いのであっという間に読み終わります。

ちょっと物足りない感じがしますね。

もちろんだらだら長ったらしく書かれるよりははるかにいいのですが。

多分、面白いがゆえにもっと読みたくなっているのかもしれません。

まとめ

星★を4つにするか5つにするかで迷いましたが5つにしました。
理由は、類書が見当たらないからです。

金を増やすとなると、「貯金して投資しろ」みたいな本が多いです。
「稼ぐ」ということにフォーカスした実践的な本というのはほとんどない状況なんです。

分量が少ないことに不満はありますが、儲けの手法・思考をここまで露骨に書いてくれている本は私の知る限りありません

自分でビジネスを持ってお金を稼ぎたいという人は必読だと思います。
多分仕事の仕方が変わります。

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