【感想】GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代(アダム・グラント)<37冊目>

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基本情報

【書籍情報】

書名GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代
原題Give and Take: Why Helping Others Drives Our Success
著者アダム・グラント(Adam Grant)
監訳楠木 建
出版社三笠書房
発売日2014年1月7日
価格1,980円(税込)
頁数382ページ

【目次】

監訳者のことば
 人間の本性を見据えた骨太の書―楠木 建
PART1 あなたは、まだ「ギブ&テイク」で人生を決めているのか
     いま「与える人」こそ、幸せな成功者となる
PART2 「名刺ファイル」と「フェイスブック」を見直せ
     「与える人」の才能①「ゆるいつながり」という人脈づくり
PART3 チームの総力を活かせる人
     「与える人」の才能② 利益の「パイ」を大きく増やす働き方
PART4 荒野で“ダイヤモンド”を見つける法
     「与える人」の才能③ 可能性を掘り出し、精鋭たちを育てる
PART5 「パワーレス」の時代がはじまった
     「与える人」の才能④ 「強いリーダーシップ」より「影響力」
PART6 「与える人」が気をつけなければならないこと
     「成功するギバー」の、したたかな行動戦略
PART7 気づかいが報われる人、人に利用されるだけの人
     「いい人」だけでは絶対に成功できない
PART8 人を動かし、夢をかなえる「ギブの輪」
     未来を変える「因果応報」のルール
PART9 「成功への道」を切り拓く人たち
     あとに続くのは誰だ

おすすめのポイント

【おすすめ度】
★★★(5/5)

良かった点

1.理想的な成功者は例外なくギバーである
2.成功するギバーと失敗するギバーを分けるポイントが分かる
3.ちょくちょく入ってくる心理学の話が意外とためになる

気になった点

1.人を無理矢理ギバーとテイカーに分けているように感じる
2.情報量が多く体系的に書かれていないので実践が難しい気がする
3.一般的な与えるという話ではなく、ビジネス上の話が中心

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感想

良かった点

1.理想的な成功者は例外なくギバーである

本書を読んで良かったと思える点はもうこれに尽きます。
理想的な成功者は例外なくギバーであるということ。

つまり、ビジネスで成功したければギバーになれってことです。
人に与える人間になりなさいということ。

もちろん、ただ与えているだけでは単なるお人好しにすぎません。
ギブするにしても条件があります。

それが次の話。

2.成功するギバーと失敗するギバーを分けるポイントが分かる

本書によると、最も成功するのはギバーであるのは間違いない。
しかし、最も失敗するのもギバーであるとのことです。

つまり、成功するギバーになるには条件があるということになります。
その条件とは唯一つ。

テイカーが相手の時だけはマッチャーになる必要がある!

本書では人間を3つのタイプに分類しています。

ギバー与える人
マッチャー与えると受け取るのバランスを取る人
テイカー受け取る人

テイカーを相手にした場合にまでギバーであることを貫くと、一方的に搾取されるような状態になってしまいます。
そこで、テイカーが相手の場合だけはマッチャーになって公平な見返りを求めろ、ということです。

この考え方はゲーム理論におけるしっぺ返し戦略と同じ考え方だそうで、合理性があるわけです。

基本的にはギバーで、テイカーが相手のときだけマッチャーになる

すごいシンプルで分かりやすい成功法則だと思います。

3.ちょくちょく入ってくる心理学の話が意外とためになる

重要な成功法則を上で簡単にまとめてしまいましたが、本書では細かい心理学の情報が大量に紹介されています。
全部で382ページもあるため情報量の多い本です。

紹介されている知識は「与える」という行為に関連しているため、身に付けて損のないものばかりです。

自己啓発本でありながらかなり内容の濃い本といえるでしょう。

気になった点

1.人を無理矢理ギバーとテイカーに分けているように感じる

とにかくエピソードがひたすら紹介されている本書ですが、全ての事例をギバーとテイカーという観点から解説しています。

ちょっと無理矢理な感じもするんですよ。
そんなに二つのタイプに分けるだけで説明がつくものなのかと。

要するに人の成功や不成功を無理矢理ギバーとテイカーという視点にこじつけているようにも思えるわけです。

似たようなことをしている本にキャロル・S・ドゥエック氏の『マインドセット「やればできる! 」の研究』という本があります。

この本もひたすら事例が書かれているのですが、成功・不成功を「しなやかマインドセット(成長マインドセット)」と「硬直マインドセット(証明マインドセット)」の二軸で説明しています。

そんなに簡単に説明がつくとも思えないんですよね。
もっと複雑で色んな要因があるでしょ、と。

アダム・グラント氏にしてもキャロル・S・ドゥエック氏にしても無理やり持論に結び付けている気がします。
内容の正しさについては慎重に判断する必要があるかもしれません。

2.情報量が多く体系的に書かれていないので実践が難しい気がする

良かった点として、細かい心理学の情報が大量に紹介されていると前述しました。
とにかく情報量が多いんですよ。
その割にはあんまり体系的に書かれていません。

読むのはいいですが、内容を実践するのは大変なように感じます。

3.一般的な与えるという話ではなく、ビジネス上の話が中心

本書は徹頭徹尾ビジネスの話がメインです。
プライベートの話は一切ありません。

プライベートについてはほとんどの人がギバーになるそうなのであまり問題ないのでしょう。

まとめ

成功する人は例外なくギバーであるということが分かっただけで読んで良かったと思っています。

人を助けることが巡り巡って自分のためになる、というのは当たり前に思える結論かもしれません。
それでも、豊富な事例や研究結果をもとに説明してもらえると、自信をもってギバーになれます。

例外的な場面についてもしっかり解説されているので隙がありません。
テイカーつまり、自分のことしか考えていないような人が相手の時だけはマッチャーになる。
つまり見返りをしっかり要求する、というのも分かりやすい戦略です。

仕事の姿勢の根幹に関わる考え方なので、できるだけ早く読んだ方がいい本だと思います。

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