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【読書ノート】収入の9割はマネースクリプトで決まる(メンタリストDaiGo)

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目次

おすすめのポイントと基本情報


【おすすめ度】
★★☆☆(3/5)

【おすすめのポイント】
お金に対する考え方について分かりやすく網羅的に解説してくれているので、お金に対する良い価値観を身に付けたいという人に広くおすすめできる。

反面、本書の扱っている内容は本来であれば心理学などの高度な専門性が求められると思われる。
DaiGoさんは厳密には専門家ではないので内容の信頼性に疑義があるという観点からやや厳しく評価した。

本気でマネースクリプトを変えたいという人は本書を足掛かりに、DaiGoさんが参考にしていると思われるブラッド・クロンツ博士の『マネーセンス』など、専門家の著書にあたる必要が出てくるだろう。

書籍情報

書名:収入の9割はマネースクリプトで決まる
著者:メンタリストDaiGo
出版社:KADOKAWA
発売日:2023年8月24日

価格:1,650円

書籍目次

まえがき
第1章 TEST マネースクリプト診断テスト
第2章 INPUT 富をもたらす8つのマネースクリプト
第3章 REWRITING 貧乏マネースクリプトを金持ちマネースクリプトに書き換える
特典 WORK マネースクリプトワーク6
あとがき
参考文献

読書ノート

『収入の9割はマネースクリプトで決まる』を読む目的

端的に、お金持ちになる方法を知りたい【攻めの視点】

②お金持ちになってしまう思考を知りたい【攻めの視点】

自分にお金持ちになることを阻害する思考があればそれを知り、お金持ちになる思考に切り換えたい【守りの視点】

①は本書の意図とは異なるかもしれないが、お金持ちになるという目的には一番直結している。
マネースクリプトという思考ではなく、具体的な行動が記載してあれば一番いいと思うので最重要目的とした。

②は本書の意図そのものだ。
本書によれば、人は一日で最大3万5000回も選択をしているそうだ。
正しいマネースクリプトを持つ人は無意識に一日3万5000回もお金持ちになる選択を行っていることになる。
つまり、金持ち思考を持っているか否かで時間の経過とともに計り知れない差になるだろう。

正しいマネースクリプトを持てば、無意識の選択に導かれ、嫌でもお金持ちになってしまうというわけだ。

③は②の裏返しだ。
正しいマネースクリプトを持てば自然とお金持ちになるかもしれないが、間違ったマネースクリプトを持つとお金持ちから遠ざかってしまう。
そこで、自分の考え方にお金持ちから遠ざかるようなものがあれば、それを見つけ正しいマネースクリプトに書き換えたいと考えた。

著者について

私はメンタリストDaiGoさんの考え方を参考にしており、氏の運営するDラボにも一番安いプランではあるが時々見たくなったときに入会している。
つまり、DaiGoさんに対してはどちらかと言えば好意的な立場の人間だ。

それでも本書については一点だけ問題を感じた。

詳しくは本書の感想で詳細を述べるが、本書におけるDaiGoさんの問題とは、

メンタリストDaiGoさんは心理学の専門家でもなければマネースクリプトの専門家でもない

ということだ。

本書を読みながら、そのまま鵜呑みにしていいのかよく分からない記述が散見された。
整合性が取れていないように感じる部分もあった。

本書を読む人は内容を鵜呑みにするのではなく、他の書籍や情報源にあたって、自分の考えをより洗練させていく必要があると思う。

『収入の9割はマネースクリプトで決まる』を読んだ感想

目的①について

目的①

端的に、お金持ちになる方法を知りたい【攻めの視点】

やはり思考について書かれた本なので、具体的に収入アップに直結するような行動はほとんど書かれていなかった。

しかし、一点だけ考えさせられたのは、

お金を稼ぐということは困っている人を助けること、というギブの思考が大事

ということだ。

例えばブログなどをやっているとどうしても自分の書きたいことを書いてしまう。
しかし、人に読んでもらうためには読み手に役立つ記事を書く必要がある。

自分に関わる相手を助けること、それが商売の本質ということなのだろう。

この教訓についてだけは今すぐ実践できて効果的な事のように感じたので本書の中でも一番心に残った。

一つしかないかもしれないが、目的①については十分達成できたと思っている。

目的②③について

目的②③は正しいマネースクリプトを持つ、という点で共通しているので合わせて述べる。

まず、本書は人のマネースクリプトを4つの観点から考察している。

・金銭忌避:お金は悪いものという考え方
・金銭崇拝:お金があれば何でもできるという考え方
・金銭地位:所有するお金の多寡で人の地位が決まるとする考え方
・金銭警戒:お金が減ることを警戒する考え方

そして、冒頭で自分のマネースクリプトにどのような傾向があるかの診断テストがある。

参考までに、読書前と読書後の私のマネースクリプトを載せておく。

読書前読書後適正範囲
金銭忌避19×189~18
金銭崇拝302915~38
金銭地位17178~24
金銭警戒30×30×17~24

ということで、見ていただければわかる通り、もともとそれなりに正しいマネースクリプトを持っていたようで金銭警戒以外はほとんど適性の範囲内だ。

したがって、正直に言うとそこまで目新しい知識はなかったというのが素直な感想だ。
多分日頃からリベ大の両学長の動画をみたり投資関連の書籍を読んだりしていたからなのだろう。

じゃあお前はお金持ちなのか?
と聞かれると心苦しいのだが・・・。

そんなわけで、ほぼ適正なマネースクリプトを持っていたらしい私なのだが、表で×をつけたところは適正外ということになる。

しかし、本書を読むとどうにも納得できないのだ。
それが、メンタリストDaiGoさんが専門家ではない、という点も含めた次の本書の不満点の話につながることになる。

『収入の9割はマネースクリプトで決まる』の不満点について

大きく感じた問題点は2点ある。

①メンタリストDaiGoさんは心理学及びマネースクリプトの専門家ではない
②本書の記述に不明瞭なものが散見される

①であるがゆえに②になる、と考えているので合わせて説明する。

冒頭の診断テストについては、各質問につき賛成か反対かを6段階で評価する仕様になっている。

完全に賛成6点
賛成5点
少し賛成4点
少し反対3点
反対2点
完全に反対1点

たとえば、私の場合初回の診断では金銭忌避傾向が強いことになっているが、気になったのは次の質問だ。

お金持ちは欲深い?

初回診断時では賛成を選択して5点となり、合計で19点となってしまったのである。

この質問に対応する本書の項目では、

【×貧乏】お金持ちは欲望にまみれている

と書かれている。

いやいや、ちょっと待ってほしい。
「欲深い」と「欲望にまみれている」ではニュアンスが大きく変わってくる。

私個人の経験から言うと、お金を持っている人というのは、自分の人生を良くしたいといういい意味での欲は強い人が多いように感じる。
その意味で「お金持ちは欲深い?」という問いに賛成としたのだ。

これが「欲望にまみれている?」という聞かれ方なら、賛成の度合いは弱まる。
お金持ちの欲は人より強い傾向はあるかもしれないが、まみれてはいないだろう、ということだ。

本書を読んだ後は質問の意図を理解したため、賛成5点→少し賛成4点となり、合計が19点→18点、となって金銭忌避について適正範囲に収まったということなのだ。

他にも私は金銭警戒の傾向が強いと診断されている。
これは正直自覚しているところはある。

しかし、これも質問と意図にズレがあるように感じるものがあった。

自分の貯蓄額や収入を他人に教えてはいけない?

という質問だ。

私はこの問いに完全に賛成(6点)と回答した。

この選択は、リベ大の両学長が紹介している、タルムードの「金の冠をかぶった雀」の話を参考にしていることによる。

要は、他人に自分の財産を見せびらかすと狙われるからやめろ、という教えだ。

実際に私の経験からも、自分が金を持っていることを吹聴していた人がたかられているのを目撃したことがある。
というか私がたかったのだが・・・。

この質問に対応すると思われる項目を見ると、

【×貧乏】お金のことはパートナーに秘密にしたい
【○金持ち】「他人の監視」があったほうが資産管理がしやすい

いやいや、これもちょっと待ってくれ。
パートナーは他人じゃないだろ。

むしろパートナーや生計を同じくしている家族が相手なら貯蓄額や収入の情報は共有しないとダメでしょ。
そういうことなら

完全に賛成(6点)→反対(2点)

くらいには変わってくる。

他にも、同じ「自分の貯蓄額や収入を他人に教えてはいけない?」という質問に関連していると思われる項目について、

【×貧乏】いくら稼いでいるか聞かれたら低めに答えるべき
【○金持ち】自分が生み出した価値を数値化し、稼ぎに自信を持つ

これは、【×貧乏】【○金持ち】の思考が対になっていない。
【×貧乏】は外部に対する情報の伝達だが、【○金持ち】の方は自分の内面の話だ。
自分に自信はあっても、自分の財産が狙われる可能性を考慮して低めに教えることだってあるだろう。

少し、揚げ足取りのようになってしまったかもしれない。

ここで私が言いたかったのは、

本書で用意されている診断テストやワークは、専門家が精査して作成した上で、多くの人に実際にテストして検証された、といった信頼性のあるものではない可能性がある

ということなのだ。

それでも診断テストはまだいい。
時間はかからないからだ。

しかし、本書の後半のワークはかなり時間のかかる大掛かりなものだ。
まともに取り組むには覚悟も必要になってくる。

本気で取り組むには専門的な信頼性に欠ける、というのが率直な意見だ。

まとめ

不満点について厚く書いてしまったが、決して悪い本だとは思っていない。
マネースクリプトの入門書としては読みやすくまとまっているのでかなりおすすめできる。

いきなり、ブラッド・クロンツ博士の『マネーセンス』などを読むよりは本書でマネースクリプトの大枠を知る方がいいだろう。

海外の本は冗長で要点が分かりにくい所がある。
それに対してDaiGoさんの著書は要点も文章も非常に分かりやすいのだ。

DaiGoさんの著書で改訂版が存在するものを私は知らないが、もし『収入の9割はマネースクリプトで決まる』が売れ続けるようならば、より信頼性の高い内容に改訂してくれれば、などと思っている。


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